アウンサンスーチーと毛沢東
ミャンマーでのロヒンギャ族の虐待問題で、スーチー氏が非難され始めている。
ただ、ロヒンギャ族の話ではない。スーチーに統治能力があるかどうか、と云う話題をしたい。
軍事政権下のミャンマーで民主化が進み、スーチーが事実上、国のトップになる見通しが立ち始めた頃、彼女は国家経営に失敗するのではないか、と思った。
民主化運動が当時の彼女の本業であり、政治は本業ではなかったから。軍事政権相手の民主化運動とは言え、政治経験がゼロである事に変わりはないから。
政治経験があったって、上手くいかない確率のほうが高い。試しに、今の日本の国務大臣10人の中から、誰かをランダムに選んで首相にしてみると分かる。多分、みな失敗するだろう。国を上手に導ける者など、ごく一部の者だけなのだから。
話は飛ぶが、毛沢東は革命家としては才能があったが、行政マンとしてはまるで才能がなかった。革命家と云うか、権力闘争家云うか、要は喧嘩は上手だった。
国民党との喧嘩に勝って国のトップになった。だが、トップの職務である国家経営の経験は全く無かった。それでも資質があったなら、次第に手腕を上げて行けたかもしれない。しかし、10年でアメリカに追いつくとか言いながら、結局失敗して、立場を追われた。
その挽回に、文化大革命を起こし、政敵を追い落として、またトップに返り咲いた。喧嘩は強いのだ。トップに返り咲いたって行政能力の無いことに変わりは無かった。
スーチーの今後には、どうしても毛沢東の辿った道がダブる。
革命闘争の才能はあったが、国家経営の才能はなかった毛沢東。
スーチーは、民主化運動家としての才能はあったのだろうが、国家経営の才能はどうなんだろう。今しばらく見守るしかない。